2009年05月30日

3本@神保町シアター。

神保町シアターで「地上」を観てから、
さらに3本観てしまいました。
それより、あの映画館、
シルバー向けと何度も書いて失礼だが♪
待ち時間には、ロビーにたくさんの
御婦人・紳士たちがあふれ、病院の待合室状態。
マッサージチェアも2つ設置されている!
シアター側も、シルバー向けと意識しているんだろうな♪

 * * *

で観たのは「足にさわった女」「夜明け前」「破戒」。

「足にさわった女」は原作:沢田撫松、監督:増村保造、
脚本:和田夏十・市川崑、出演:京マチ子、
船越英二、クレイジーキャッツ他。1960年 大映東京。
いきなりフレームいっぱいに網タイツの足のアップではじまり
増村保造の妖艶な映像世界が続くと思っていたら、
それは最初のクレジットロールくらいまで。
あとは市川崑のカラーが強い娯楽映画だ。
スリを働く女スリ師と、それを追いかける大阪の刑事、
それに三流作家がからむ、ドタバタ軽快コメディでした。


島崎藤村原作の「夜明け前」「破戒」も素晴らしかった。
「夜明け前」は吉村公三郎監督の代表作。1953年作品。
明治維新をはさんで、木曽の馬籠宿の本陣の主の目から見た
社会の変化や自分たちの生活の変わりぶりを描いている。
本陣の主は、尊王攘夷の原動力となった復古神道、古道の主流、
平田篤胤の国学思想を重んじ、
逃亡してきた水戸の天狗党などの世話もしている。
馬籠や伊那あたりは、平田学派というのが盛んだったらしいが
オイラの家も神道なので、祖先はそんな影響も受けていたのかも。


「破戒」は木下恵介監督の1948年、松竹京都の作品。
テキサスの話は出てこなかったが、
ほぼ原作に忠実に描かれている。
瀬川丑松は、被差別部落民という身分を隠せという
父の戒めを破って告白しようかと何度も悩むが
そのうち、職員たちの間に部落民であるという噂が流れはじめ、
瀬川はついに職員室で告白する。
子供たちの前でも、嘘をつくなと教えながら、
自分はひた隠しに身分を隠して嘘をついてきたと謝る。

自分が暴かれるという恐怖と、それに対して自分から告白する勇気。
しかし、告白したことで、新しい世界は広がっていく。
瀬川の旅立ちの日にも、子供たちは手を振って見送ってくれる。
同僚の土屋も、「告白してくれてうれしいよ」的なことを言ったと思うが
正直な自分の立場を言って、身の丈にあった生活ほど心地いいものはない。
収まるべきところに収まってこそ、心の安寧が訪れる。
〈写真:左/足にさわった女、右/夜明け前〉

Natural/NOKKO
http://www.youtube.com/watch?v=hmQgtIhhHOE

ashi.jpgyoakemae.jpg

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2009年05月26日

「地上」@神保町シアター。

昨日は、神保町シアターで
吉村公三郎監督、島田清次郎原作、
新藤兼人脚本の「地上」を見てきた。
大映東京の昭和32年作品。
若者がいない、シルバー層ばかりの
館内にもすっかり慣れてきた♪

神保町シアターは、すばらしい企画を連発している。
GW明けからは「日本映画☆近代文学全集」
というテーマで秀作がずらりと上映されているが、
オイラがいま興味を持っているものと
かなりシンクロしていて
すっかりこの映画館にハマってる。
戦後〜高度成長期の日本映画鑑賞と
明治からの近代文学を読む!という
マイブームにぴったりなのだ。

「地上」は大正時代に超ベストセラーと
なった著書らしいが、
その後、作家も作品も文学界から
抹殺されてしまったらしい。
そういえば、島田清次郎というのは
まったく聞かない作家。
ウィキペディアでみたら、どうも女性監禁とか
スキャンダルで消えて行ったらしい。
その後早期痴呆で入院、
31歳で肺結核で死んでいる。

物語は、母子家庭で置屋に居候として住み込み、
学費を滞納している大河平一郎と
大手陶器工場の社長令嬢・和歌子のかなわぬ恋。
二人のラブレターを学校の校長が取り上げたり、
(そんなことしていいのかぁ!)
母が娘を外出させないように部屋に鍵をかけたり・・・。。
平一郎は陶器工場のストライキを手伝ったとして
学校を停学処分となり、母子ともに東京へ出て行く・・・。
金沢から汽車で上京するとき、社長令嬢は、見送りに行き
汽車が走り去ったレールを抱きしめて嗚咽する。
レールを抱きしめて終る最後は、深く印象に残った。

画面も美しく、色合いが淡いのもいい。
瓦屋根が続く金沢市や、母子が暮らす置屋、
遊郭の部屋など、大正時代らしい雰囲気がたまらん!
社長令嬢・和歌子の部屋には、竹久夢二らしい
絵画がいっぱい飾られている。
また、洋室の雰囲気と、
和歌子の和服のミスマッチ感も素敵。
すっかり堪能いたしました。

で、あと見たいのは、
「夜明け前」「足にさわった女」「白夜の妖女」など。
「足にさわった女」は、
和田夏十・市川崑の脚本で増村保造監督。
タイトルだけでもそそられる♪

心だけ愛して/山崎ハコ
http://www.youtube.com/watch?v=51dYauObMrA

近代文学.jpg地上.jpg

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2009年05月23日

古川日出男「聖家族」。

古川日出男の「聖家族」を読んでみた。
この人の本はこれが初めてだが
時代を軽々と飛び越えて
スケールが大きく、テンポもいい。
SFアクションファンタジー的なものは
ほとんど読まないが、
これはかなり面白かった。

鍛え上げられた身体と不思議な能力をもつ
狗塚家の牛一郎、羊二郎、
妹カナリアの3兄弟の物語。

「おれたちは生まれてきちゃったんだよ。・・・
俺は烏天狗を呼び寄せた人間・・・
翅がある・・・我々は天狗だ・・・
何歳だっただろう、天狗という字は書けた・・・」
そんな文を読んだ時点で、ワクワクしました。

東北の深い森に走る地下茎のように
その能力は時代を超えて遺伝され
現代の狗塚家の兄弟に現れる。
身体に象られる。

そして、さまざまな時代のエピローグが
重層的に挿入されているが
一家が具えている能力・魂は、
いつの時代に生きているかなんて
もうそんなのは関係なくて、
たまたま、その時代に魂が
落ちたというか、存在したというか。
生まれちゃったから。。。
「聖なる家族」は、
時間よりも強い存在で
時代、時間の観念も超越してしまう。

さらに興味をひいたのは、東北地方の歴史だ。
青森の十三湊は、かつては大陸へ開かれ
盛んに交易をしていた場所であったり、
なまはげは、昔は秋田県以外の東北全域にいたらしい。
下北半島や三陸海岸にも濃密に残っていた。
ルーツとしてもさまざまで、
中国東北地方から日本人の
2倍もあるような長身の女真族が来て
村人に乱暴をはたらいたのが
始まりだといわれたり。
烏天狗や山伏の起源・伝説も探ってみたくなった。

この本は、きちんと整理された歴史のウラ、シタに
記憶の中で生き続け、蠢いている歴史が
あることを教えてくれる。
しっかし、とうほぐってところは、恐ろしぃところだべ。

寺山修司「一匹」
http://www.youtube.com/watch?v=7ZP55mf-Bog


聖家族1.jpg

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2009年05月19日

フォーク喫茶。

仕事の都合上、虎ノ門近辺に
よく行くのだが、そこに前から
気になっているフォーク喫茶がある。

「香林坊」という名前。
金沢出身の人がやっているのだろうか。
いつも、いつも、前を通るたびに、
「準備中」の看板が下がっている。
あんまり、やる気がないのかな?
と思っていたが、
きょう、お昼時に前を通ってみたら
なんと!めずらしく営業していたので
入ってみた。

窓ガラスや店内の壁には、
1970年代にヒットした
懐かしいLPのジャケットが飾られている。
かぐや姫LIVE、陽水のもどり道、
NSPファースト、サーカス、浜田省吾・・。
しか〜し、ジャケットに、
そのまま画鋲を打ち込んでいる。。。
店内も暗く、あまりパッとしない
というのが正直なところ。。。

アイスコーヒーを飲み、
猫と、オフコースの初期のLPを
半分くらい聴いて店を出てきた。
また今度行ってみようと思うが、
はたしてうまく営業時間にめぐりあうか?
〈写真:香林坊/店内1/店内2〉

置手紙/かぐや姫
http://www.youtube.com/watch?v=89IglkxjZxs&feature=related

香林坊.jpgLP0.jpgLP1.jpg

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2009年05月16日

地味、滋味、常盤台ビール。

昨日は、東武東上線の上板橋という
渋いところで打ち合わせをすることになり
地図・路線図を見ていたら
なんと、ウチから歩いて行ったほうが
早そうなので、徒歩で行くことにした。
空気もさわやか。絶好のウォーキング日和。

前から気になっている板橋唯一の
温泉施設の横を通って
常盤台方面へ向かい
しばらく行ってから右に折れて
上板橋へ到着。30分くらいか。。。
方向感覚もバッチリ!

打ち合わせ後
帰り道をふらふら歩いていたら
ある酒屋の「常盤台ビールあります」。
という看板が目に入る。
観光地でもないのに地ビールか?
と反応してしまい、
さっそく店内に入り、確認。

ショーケース内を見ると
味違いで何種類かあったが、
「自然発酵、ビン内熟成、無濾過」と書かれた
麦芽100%「常盤台ブラウンビール」を購入。
最近は発泡酒しか飲まない
オイラにとって、久々のビール!

黒ビールに似た濃い茶色で、まったりした味。
麦芽の自然な味わい。うまかったですな。
ボトルでなくビールの写真も撮るべ、
と思ったときには、飲み終えていた。。。。
〈写真:見次公園/常盤台ビール〉

風や空のことばかり/さねよしいさ子
http://www.youtube.com/watch?v=aORlMgh6fQc&feature=related

見次.jpgビール.jpg

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2009年05月14日

ELSA&ELEGY.

はい、最近仕事中のBGMとして
ヘビーローテーションの2CDです。

1枚目は、澤野工房の4番バッター、
アーノルド・クロス・トリオの「エルザ」。(写真右)
4月に発売になったばかり。
今までも美しいジャケットだったが
今回は、さらにチャーミング。

タイトル曲のエルザをはじめ、
マイ・フーリッシュ・ハート、ワルツ・フォー・デビー
などの選曲でわかるとおり、
全編、ビル・エヴァンス風の甘美さが漂い、
オジサン的にはたいへん愛聴しております。

2枚目は、スウェーデンの
ロニー・ヨハンソン・トリオの「エレジー」。(写真左)
ナイツ的には、ロニー・よはそそそ・トリオか♪
(それが言いたくて紹介したのかぁっ!)

「JUBILEE」以来買っていなかったが2枚目になる。
こちらは、去年に出ていたが、
聴くほどに愛着がわいてくる。
スタンダードとオリジナルが混ぜこぜで
メロウな曲もあれば歯切れのいい曲もあり、
聴いていて飽きない。

メンバーのひとり森泰人(bass)は、
これもスウェーデンのピアニスト、
ラーシュ・ヤンソンとも数多く演奏しており、
北欧サウンドには欠かせないひとり。

しかし2枚とも、ビル・エヴァンス先生の
流れを受け継いだ美しいJAZZですな。

ユーチューブで
「アーノルド・クロス・トリオ」はないかと思って
検索したらアーノルド・シュワルツネッガーばかりや。。。

マイ・フーリッシュ・ハート/ビル・エヴァンス
http://www.youtube.com/watch?v=a2LFVWBmoiw&feature=related

エルザ.jpg

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2009年05月11日

伊集院静「少年譜」。

伊集院静の「少年譜」を読んだ。
遠い日の美しくも悲しい少年時代を
丁寧に綴ったすばらしい本。
図書館で借りて読んだのだが、
なんだか購入したくなった。
少年の頃ならではの
胸がチクリと痛む感覚が漂う。

ある短編では、少年が誤って
モノを壊す件があったが
そういえば、オイラも小学生の頃、
友達とふざけているうちに
大太鼓の革を金属製ハーモニカで叩いて
破いてしまったことがあったことを思い出した。
バチン!と凄い音がした。

そのときは、先生に大目玉をくらい
その後、全校集会の場でも、
音楽担当の教師が指揮台にのぼって
名指しではないまでも
今後このようなことはしないように!と
強い語調で注意されたことを覚えている。
そのときは、顔から火がでるほど恥ずかしかった。

さらにある日、野球の練習をしていて
バットの素振りをしたら、後ろに男の子がいて
バットで思いきり頭を叩いてしまったことがある。
ずっと泣いていたその子の手に
リンゴをのせて許してもらった。

楽しかった小学生時代の忘れたい事件。。。
楽しかった、ぼんやりとした記憶よりも、
そんな痛みはいつまでも消えない。

飛べない蝙蝠/小椋桂
http://www.youtube.com/watch?v=eFWgXkkEL1I

少年.jpg

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2009年05月04日

フォルジュネ・バッハ。

有楽町・東京国際フォーラムで
「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2009」が始まった。
今年はJ.S.バッハがテーマ。
去年のフォルジュネが終った後、
バッハをもっと聞こうと思ったが、あまり聞けなかった♪
そのときのブログにも書いていたが、有言不実行ナリ!

ところでパンフレットには、このイベントのディレクター
ルネマルタンの「なぜ今バッハなのか」という記事がでていた。
かいつまんで・・・・

「バッハの音楽は時間を超越して、流行にとらわれない、
世代を超えて、人類全体に語りかけてくる。
精神世界の奥深くへ連れて行く。
コマーシャリズムから最も遠く、それ故
自分自身をとりもどすことができる。

今、モラルが失われようとしている
時代だからこそ、必要とされる。
バッハを聴くと、より人間的になっている
自分を発見できる。
不要なものを取り去り本質が見出せるという意味で、
バッハの音楽は「癒し」につながるかもしれません」
と書かれている。

たしかに、朝の清々しい空気の中で「ゴルトベルク変奏曲」を聴くと
心の中のもやもやが消え去り洗われる。
ヨーロッパで聞くならまだしも、日本にいても、
神の世界から響いてくるように聞こえる音楽は他にない。

で、昨日はホールD1で
小沼純一「ゴルトベルク変奏曲の世界」と題した講演を聞いた。
3の倍数から構成された小宇宙であるという
ゴルトベルクの音楽理論的な話から、
中米パナマあたりがルーツの「サラバンド」という
リズムを活かしている話など・・。

バッハはあまり旅行をしなかった人だが
当時、スペイン、フランスなどで流行していた音楽を、
楽譜だけ見て、自分の頭の中に自由に取り入れ
混ぜ合わせて曲をつくっていたらしい。
とても、コスモポリタンな感覚を持った人だったのだ。

いまでは古典の大御所であるが、
その当時はいろいろな音楽をミックスし
前衛的な活動をしていたと思うと、
中学校の音楽室で見覚えのあるあの顔も、
少し先駆者的な人に見えてくる。

そして、ホールAで
J.S.バッハ:2台のピアノのための協奏曲1番 BWV1060
J.S.バッハ:3台のピアノのための協奏曲1番 BWV1063
J.S.バッハ:3台のピアノのための協奏曲2番 BWV1064
J.S.バッハ:4台のピアノのための協奏曲   BWV1065

ボリス・ベレゾフスキー/ブリジット・エンゲラー/
小菅優/小山美稚恵/酒井茜のピアノ・ソリスト、
シンフォニア・ヴァルソヴィア、
カントロフ指揮を聴いて帰ってきた。

BWV1060はヴァイオリンとオーボエのための協奏曲で
有名だがカッコイィーー!
BWV1060/ヒラリーハーン
http://www.youtube.com/watch?v=0hQO1sXTylo

バッハ1.jpgバッハ2.jpg

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2009年05月03日

見繕う、っていい言葉だ。

昔、打ち解けた親しい仕事仲間たちと
ブレストや打ち合わせの場で
「じゃあ〜、デザイン、コピー
テキトーに見繕ってつくってよ。
お願いね♪」
などと言っていたことがあったが
「見繕う(みつくろう)」っていいなと思う。

本来なら寿司屋、小料理屋などの飲食店で
「オヤジ、ちょっと見繕って料理つくってくれろ」と
いう言い方をするのだろうが
相手に頼む、頼まれるときも、
どこかユーモアがありながら
信頼しているという気持ちが伝わってくる。

相手の裁量にまかせて、
何がでてくるかわからないワクワク感がある。
契約履行ウンヌンではなく、ギスギスせず、
どこか余裕があって日本的。

個人経営レベルの料理業界では
「見繕う」はあるが、もっと広くあってもいい。
うぁ、「シェフおまかせコース」っていうのがあるか。。
でも相手を見てから作るのとは違うか。。

でも、「おまかせで・・・。」というのはいい。
なんと清々しく美しい響き。
「おまかせしますわ。」
というのは職人にとって、
最上級の言葉やな。

スタンドバイミー/RCサクセション
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=xs73FAVe7A0&feature=related


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